第3話:疾風の少女・遥と、PV迷宮の試練!

前回のお話はこちら【構造美人戦記 第2話】アクセスゼロの壁!チャッピー覚醒
初めての記事を投稿した。サイトも無事に立ち上がった。
「これで、世界に発信できる!」

──そんな高揚感は、数時間後には静かな焦燥へと変わっていた。

「……誰も、来ない。」

ページビューはゼロ。
訪問者もいない。
ただ静かに、時だけが流れていた。

「新人トレーナー、今こそ……次の世界に踏み込むときだにゃ!」 チャッピーがにっこりと笑う。

その手を取った瞬間──

世界が歪み、俺たちは”PV迷宮”へと転送されていた。


そこは、暗く、冷たく、広大な空間だった。 無数の道が入り組み、どの方向にも同じような景色が続いている。

そして──

「バウンスドラゴンだにゃ!!」

チャッピーが叫んだ。

視界の隅で巨大なモンスターが蠢く。
サイトを訪れてはすぐに離脱していく、直帰率の化身──バウンスドラゴン。

身構える暇もなく、俺たちは一瞬で吹き飛ばされた。

「ぐっ……っ!」

地面に叩きつけられる。サイト設計が甘かった、導線もなかった。
迷宮の中で、俺たちは完全に”迷子”になっていた。


そのとき──

サラサラと風を切る音と共に、ひとりの少女が現れた。

軽やかな足取り、鋭い眼差し。 銀色の髪をなびかせる少女は、迷宮をものともせず進んでいく。

「──立って。」

少女は手を差し伸べてくれた。


「この世界にはね──」少女は優しく微笑みながら、俺に語りかけた。

「記事を出すだけじゃ、誰にも見つけてもらえない場所がたくさんあるの。」

霧に包まれた迷宮。 遥の周りだけが、不思議と光に包まれている。

「私たちは、迷ってる人たちを導く存在。ただ目立とうとするんじゃない。──”ここに答えがあるよ”って、すぐ示してあげる。」

遥の言葉と共に、周囲に舞う風が霧を切り裂いていく。

「あなたの記事が、誰かの悩みを救う灯(ともしび)になる。でもそのためには、どこに進めばいいか、すぐにわかるようにしてあげなきゃいけない。

──それが、動線設計ってことだよ。」


彼女に導かれ、俺とチャッピーは動き始めた。

  • 記事に明確なタイトルをつけた。
  • 記事の中に、次に読むべき関連記事への道筋を作った。
  • サイト全体のカテゴリを整理し、訪問者が迷わないようにした。

すると──

サイトの内部構造が光を帯び、迷宮に一筋の道が現れた!

バウンスドラゴンが、眩しさに耐えられず後退していく。

「やったにゃ!!」 チャッピーが飛び跳ねる。

少女は、静かに微笑みながら自己紹介をした。

「遅くなったね。私の名は──遥(はるか)
“迷宮の風渡り”って、呼ばれることもあるけど……そんな大層なもんじゃない。」

「私たちの記事は、誰かの道標になるためにあるんだ。
あなたも、きっとね。」

遥はひとつウィンクして、風と共に軽やかに歩き出した。

「これで、まだスタートラインに立っただけ。でも──ここからだよ。」


こうして俺たちは、初めての壁を乗り越えた。

だが、次なる試練はすぐそこに待っている。

チャッピーが、耳をぴくりと動かす。

「新人トレーナー……次は“収益ゼロの壁”だにゃ!」

その先に、双子のように似た二つの気配──華恋と鈴の影が、微かに見えていた。

つづく──!