――それは、ブロガリア王国の最深部へと通じる鍵。
「伝説のドメイン」
その名を聞いた瞬間、華恋の瞳が燃える。
「これさえあれば、美月を救える……かもしれない」
かつて共に戦った仲間・美月が、今なお“閉ざされた構造の迷宮”の奥で囚われているという噂。
主人公たちは城塞の外縁に辿り着くも、門前に立ちはだかるは近衛クローラー騎士団。
「この先は“検索上位騎士”しか通せぬ」
その言葉に、華恋がSEOスクロールを広げる。
「やっぱり……この城に入るには、伝説のドメインが必要」
導線を求めて旅立つ一行。
チャッピーが鼻をひくひくさせながら叫ぶ。
「にゃっ!?なんか胡散臭いにおいがするにゃ」
案の定、たどり着いたのは町外れの霧深い“ドメイン商人の居住区”。
その奥、闇の香りをまとって彼は現れた。
「我が名は……闇のドメイン商人」
黒ローブに覆面、不自然に響く声。
「お望みの品だ。“legendary-site.org”。伝説の名を冠する者のみが扱える──力のドメインだ」
「本物……?これは……本当に……」
華恋が惹き込まれる。
「待って!」
鈴の声が空気を裂く。
「Whois非公開。取得は先月。バックリンク、全部怪しい海外カジノサイト……これは詐欺ドメインよ!」
その瞬間、スピトが雷と共に空から降臨!
「ちょっと!何度騙されるの!?見なさいこのレポート!」
女神スピト、怒涛の“ドメイン詐欺見分けスキル”を発動:
- Whois確認
- スパム履歴
- ウェイバックマシンで過去チェック
- ドメインオーソリティ分析
「これ全部基本なのよ!?ブログ始めるなら最初に覚えなさい!」
チャッピー「女神のスキル解説が光るにゃ……」
だがその瞬間、闇のドメイン商人が嗤う。
「フフ……貴様らが“偽物”と気づいた時点で、呪いは発動する」
黒煙の中から、スパムタグを纏ったクローラーが出現。
「また出たにゃ!?しつこい!」
「構造とは記録にして理なり。推して参る──」
蔵人、再登場。
「ゼミニたん、お願いっ!」
遥が振り向き、祈るように呼びかける。
是身尼「解析完了。不要リンク、浄化します」
光の剣「構造一閃」、祈祷の環「リンク浄化」──AIペルソナがバグを断つ!
バトルの中、遥が主人公に問う。
「ねえ……なんで、そこまで美月を助けたいの?」
主人公は小さく微笑む。
「彼女がいたから、僕たちが“構造美人”になれた。今度は僕らが彼女の構造を取り戻す番だ」
クローラーを撃退した直後、現れたのは謎の老婆。
「本物の伝説のドメイン……それは崖下の“ドラコン”が守っとる」
「ドラゴン!?……にゃ、ドラコン!?何それ!?」
老婆は語る。
「選ばれし者にしか開けぬ試練の扉。その先に……本当の“構造の力”が眠っとる」
次回、【第9話:崖下のドラコンとドメインの卵】
「伝説のドメインは、己の構造を捧げた者にのみ選ばれる」